
プレスリリース及び
作家プロフィール
English Press Release

百瀬恒彦|Tsunehiko Momose
「tatouage」
会期:2023年6月8日(木)-7月2日(日)
開館時間:木金土日(月火水祝休) 13:00-18:00
(上記以外の時間でビューイングをご希望の方はご予約にて承ります。)
Exhibition Period: 2023.06.08. to 07.02.
Open on Thursdays, Fridays, Saturdays and Sundays from 13:00 to 18:00.
*Please make appointments if you prefer to visit outside of business hours.
【展示概要】
和紙にプリントしたモノクロ写真に顔料で着色し、「写画」と名付けた作品を制作する百瀬恒彦。弊ギャラリーで初の展示となる本展では、入れ墨を施した身体をテーマとしたシリーズ「tatouage」をご紹介いたします。
日本各地で出土する土偶や埴輪にもその痕跡が見られると言われるほど長い歴史を持つ入れ墨文化は、江戸時代には絵師や彫り師のもと、高い芸術性を持った身体表現のひとつでした。一方で、近代以降の我々の社会は入れ墨を忌み嫌い、ネガティブな意味合いを持たせてきました。マザーテレサのポートレイトで知られる百瀬は、それまでの作品とは対照的に、「陰」のイメージを持ちながらも高い芸術性を維持してきた和彫り文化に強く惹かれ、入れ墨を施した身体と人々をテーマに、十分な時間をかけ今回のシリーズを制作しました。越前和紙に現像したモノクロ画像に顔料で色付けを行う制作方法で生み出された一点ものの作品を中心に、写真作品も数点展示予定です。この機会に是非ご高覧ください。
(以下、本シリーズに向けて寄せられた詩人の谷川俊太郎氏による文章)
紙は剥がされた皮膚、
幻のように浮かび上がる入れ墨の思い出、
歯を食いしばった痛みはもう忘れられ、滲んだ血はもう褪せている。
だがこの華やかな傷痕、心は体に何を求めたのか?
死ぬまで裏切れぬ誓い、
永遠に脱ぐことの出来ぬ悔い、
眼差しよりも表情よりも雄弁な決意、
死すべきからだを画布としてどこまでも隠す裸身。
入れ墨する人々、
その目に見えぬ連帯のうちにひそむ
なにものかへの畏れ・・・・
― 谷川俊太郎